ちらりと左を盗み見る。おお、スゲー。誠凛のとんでもないバケモノくんとキセキの世代のうちの二人、更にそいつらが一目置いていた幻の6人目とやらがひとつの鉄板を囲んでいる。真ちゃんとはよく話すし和成と一緒にちょっかいかけたりもするから最近はいまいち天才天才言われてるやつって感じがしなくなってたけど、このメンツに囲まれていると、やはりそれなりのオーラと存在感があるように感じる。 「和成ぃ」 「んー?」 「やっぱさー、真ちゃんって凄い人だったんだねえ」 「そりゃ俺らのエース様だし」 けらけら笑いながらも、幼馴染は私より上手くお好み焼きを焼いていく。和成は私なんかの比じゃないくらいずっと人当たりがいいし、明るいし、バスケ的な意味でもこいつはこいつで大物だ。羨ましいったらない。 「物欲しそうな顔してんなあ」 「は?…そう?」 「まだ半ナマだぜ?あ、それともアレだ、ついに俺に惚れ…」 「アホ」 もう何度やったかも分からないやり取り。本当にアホだ。とっくの昔に惚れてるっての。 |