neta | ナノ
 
「京ちゃん、京ちゃーん!」
「…」
「京ちゃんっ、お弁当ぉー!忘れてたよー!」
「っいちいち叫ぶな!」
「え、ご、ごめん…」
「そんな怒らなくてもいいじゃんか、剣城ぃ」
「そうだよ。忘れ物届けに来てくれたんでしょ?」
「あ、う、うん。そうなの。途中でおばさんに会ってね、」
「余計なことは言わなくていい」
「う…」
「剣城くんサイテー」
「狩屋喋るとややこしくなるからちょっと黙ってて」
「えっひどっ!」
「まあまあ…」
「はーっまったく、こんなに可愛い幼馴染にどうして冷たく当たっちゃうんだろ」
「ねー」
「いや…松風くん、私可愛くはないと…」
「え、可愛いよ?ねえ葵」
「うんうん。ほら、手なんてこんなにちっちゃいし。わーっ、すべすべ!」
「わ、そそそらのさん!?」
「いいなあーっ!爪もきれいだし…わああ…」
「俺も触っていいー?」
「あ、ボクもボクもー!」
「お前らよくそんな平気で女子の手を…」
「狩屋君はいいの?」
「そっちこそ」
「いや僕は、恥ずかしいし…」
「それが正常だよ正常」
「あーっ、まるで俺たちが異常みたいなぁー!」
「天馬天馬、狩屋きっと羨ましいんだよ。素直なボクたちがさ」
「ああ、なるほど…」
「ちっげえよバカ」
「…おいコラ、お前ら。特に松風」
「なに?」
「手。いつまで握ってるつもりだ」
「えー、いいじゃん。ダメ?」
「だ、だめ、というか…恥ずかしい…というか…」
「わ、照れてる」
「可愛いーっ!」

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