「し、し、しんどうくん!外出許可出てないって言ってたよね!」 「ああ、まあ…色々あってな」 「色々?…でも、よかった」 「何がだ?」 「だって、最後なんだよ?せめて生で見るくらいはしておかないと、キャプテンとして格好つかないと思うから」 「今のキャプテンは天馬だぞ?」 「うーん、そうなんだけど…やっぱりキャプテンって言うと、神童くんの感じしかしなくて。天馬くんじゃあ役不足だって言いたいわけじゃなくてね、何と言うか、ええと」 「はは、もういいよ。言いたいことは何となく分かる」 「そ、そう?」 「実は俺も、まだしっくりきてないんだ。あいつは前に立って指揮すると言うより、俺達の背中を押してくれるイメージが強いからな」 「確かに」 「でもお前は、」 「私は?」 「…すまん。言わないでおく」 「えっ気になるのですが」 「そのうち言うよ」 「そのうち、って…」 だって、前でも後ろでもなく横に立って支えてくれる存在、だなんて。恥ずかしくて言えるわけないじゃないか。 |