ジンくんの細くて綺麗な指がわたしの顎を撫でた。ゆっくりと上を向かされ、視線の先にはきらきらつやつやと輝いているふたつの赤い瞳。CCMを握っているときはLBXが追いつかないくらいのスピードで動く指が今はこんなに優しいだなんて、何だかすごく不思議な感じ。空いていた左手の親指で今度は右目の瞼を撫でられ、促されるままに目を閉じると、音も無く唇に何かが触れた。その何かの正体なんて、考えなくても分かる。冷たい指先とは対照的に、ジンくんの唇はいつもひどく熱い。そのまま動かず十数秒。唇を離されてから、やっと右手首の痛みに気がついた。わたしの肩に額を乗せているジンくんの吐息がくすぐったい。 「ジンくん」 わたしはずっと一緒に居るからね。そう言うと、彼は爪痕が残っているであろうわたしの手首を撫でて、 「絶対に?」 頷いたわたしに、もう一度口付けた。 |