「いっくん、いっくん」 「んー?」 「今日ねー」 「んー」 「キスの日なんだって」 「ぶ、んぐぅ、げほっ」 「わーいっくん耐えたねー!コーラ耐えたねーっ!」 「おまっ、おまえが、いきなり…!」 「エヘッ」 「…はあ」 「ということで、ほら」 「は?」 「だからキスの日なんだってば」 「…いやいやいやいやいや、それとこれとは…な?」 「はやくしろよ」 「何でちょっと怒ってんだよ」 「怒ってないよぉ」 「目がマジじゃないか」 「うん。マジ」 「……マジで?」 「はやくしろって」 「いやいやいや!」 「嫌?」 「嫌っ…という、わけでは……」 「なんなんだよ」 「さ、さっきからいちいち怒るなって」 「怒ってないでぷー!」 「口調と声色が一致してねえよ!」 「もういいよ」 「え」 「だっていっくん嫌なんでしょ」 「いやだから嫌ってわけでは…」 「何言ってんの」 「んんんだから、…わ、わかったよ!一回!一回だからな!」 「ヘタレいっくんにできますかねえ」 「お前どっちなんだよ」 「何が?」 「何が、って…俺と、き…あー…」 「…」 「…言わせるつもりか」 「何のことだか」 |