neta | ナノ
 
「ミルクティー?」
「うーん」
「レモンティー?」
「うーん」
「もう休み時間終わっちゃうよ」
「うーん…」
「優柔不断だねえ。じゃあじゃんけんで、私が勝ったらミルクティー、Vが勝ったらレモンティーね」
「わ、分かった」
「よし、じゃあ、じゃんけん…」
「あっ待って!緑茶も…!」
「もぉお何なのぉ!」
「い、今ふたつに絞るから…」
「いっそ全部買っちゃえばいいんじゃないかな」
「ダメだよ勿体ない」
「んじゃ頑張って決めて」
「が、がんばるよ…」
「はい、さーん、にーい、いーち」
「えっ、待って待って!分かった!レモ…あ、み…ミル…ク…」
「はーいじゃあコレねー」
「え、あ…あああ!」
「ブラックコーヒーでぇーす。頑張って飲んでくださぁい」
「う…」
「んっふっふ、早く決めないからだよ」
「ご、ごめん…でも、ブラックは…ちょっと…」
「苦いの飲めないもんねぇー」
「(楽しそうだなあ…)」
「砂糖でも買ってくる?」
「購買に砂糖は無かったと思う…」
「そうだったねぇー」
「そうだったね、って……あ、そうだ。試してみたいことがあったんだ」
「何?コーヒーで?」
「絶対にコーヒーでってわけじゃあないんだけど、ちょっと待ってて」
「うん…って、普通に飲むの?」
「ん」
「え、ぅむ」
「……んん、あんまり甘くないね」
「な、なん…なに、を、期待したの!」
「イヤだった?」
「嫌って問題じゃなくて、その、何て言うかさ」
「…もう一回試してみよう」
「す、V、今何か小声で言わなかっ、お、おおぉ…ちょっ、ちょっ…とぉ…」
「何でのけぞるの、飲み込んじゃったよ…苦い…」
「いやいやいやいやいや!」
「もうこうなったら無くなるまでやるからね」
「ここで負けず嫌い発揮しないでよ!」
「わ、ちょっと、暴れないで」
「すっ、すすすりーさん!おちつきましょう!」
「僕よりも落ち着くべき人が居ると思うけどな。こんな体勢じゃやりにくいよ」
「んぎゃあああ何かスイッチ入ったぁぁぁあああ!!!」

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