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ジンくんが留学してから、もうどれくらい経っただろう。実際はそう長くないにしても、私にとってはかなりの間彼に会えていない気がしている。色々なことがあったから、一人でゆっくり考えたい、と。そう思うのは当然と言える。けれど私にとっては、ただただ寂しいだけの時間なのだ。最近連絡をくれたけど、ユウヤは元気にしてるかとか、LBXをやめようかと思ったけどやっぱり云々とか、そんな話だけで。ユウヤくんを心配する気持ちはよく分かるしジンくんがLBXをやめないでくれたのもすごく嬉しいけど、でもやっぱり、寂しいとか会いたいとか。そういうのは言ってくれないのかな、なんて。ちょっと我が儘だろうか。

「…へえ」

と、いうことをユウヤくんに話すと、何やら難しい顔をして考え込んでしまった。

「どうしたの?」
「ん…いいや。何でもないよ」

思案顔からぱっと表情を切り替え、道端に咲いている花で小さなブーケを作っている少女を見かけたかのような柔和な笑み。今の話のどこに微笑ましげな顔をする要素があったのだろうか。


おかしいなあ。この前僕と話したときは、きみに会いたいって寂しそうに言ってたんだよ、って。そう言おうかと思ったけど、せっかくの強がりを無駄にしちゃうのは気が引けるからね。

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