![]() ‖06 「疲れた」 廊下を歩きながら扇子で扇ぐ。 ついつい出たのはそんな言葉。 「私ダメージ負わせたのに…」 先程一番隊の隊首室から出てきたのだ。 長い説教から漸く解放され今しがた十二番隊に帰るところです。 もっと早く来いだとか何故捕えなかったとかそんな感じのこと言ってたけど覚えてない。 おじいちゃん話し長すぎるわよ。 ふと周りを見渡す。 瀞霊廷は今大変賑わっている。 沢山の隊士が忙しそうに行ったり来たり…。 ここに居ても仕方ないし、早く隊舎に帰ろう。 そう思っていた。 が、叶わなかった。 「あ、姉様」 そう、ルキアに会ったから。 「あらルキア」 此度の一件で色々大変だっただろう中の1人。 でもその顔は疲れどころかいつもより晴れやかだ。 どこか嬉しそうでもある。 「嬉しそうね」 「へ?、はい!先程兄様に姉上…緋真様のことをお聞きしたのです」 「そう…あの人漸く話したの」 良かったわねと笑えばルキアも花が咲くように笑った。 あぁ、可愛いい子。 これで兄妹仲も良くなるかしら。 「姉様はどちらに?」 「私はこれから隊舎へ帰るところよ」 「そうですか…あの、兄様の御見舞に行かれませんか?」 「御見舞?そういえば大怪我してたのかしら」 「はい」 たしか旅禍の一人と戦ってなかなかの重傷だとか。 更にはルキアの楯になって藍染に傷を負わされみたいだし。 これは行ったほうがいい感じね。 「分かったわ。戻る前に行ってみる。四番隊かしら?」 「はい!奥の部屋で休んでます」 「ありがとう。じゃあまたね」 「失礼します!」 そう勢いよく頭を下げて少しるんるんでさって行くルキアを見て私も四番隊に向かう。 [*前] [次#] |