指輪



繋いで青い空へ

いつものようにCDプレイヤーをランダムにして聴く。



「行ってきまーす!」

ヘッドフォンをつけ家を出た。

あーまだ先輩にメールしてないや…学校についたらしようっと。


耳に聞こえてきたのはまだ一緒だったころに
聞いてた思い出の曲だった。

「あの頃はまだずっと一緒だって思ってたなー」


今先輩何してるんだろう?
自衛隊に入りたいって言った時は驚いた。
普通今は大学とか専門でしょ?
そんで次の言葉にはもっと、天地ひっくり返るほど驚いた。


「だから、別れよう」


私はそれから何を言われたか覚えてない。
最後は走っていた。


あとから友人によると、自衛隊っていうのは最初のうちは外泊とか厳しいし、その後は転勤が多いらしい。
転勤といっても基地なんて全国津々浦々で
正直私が待っててくれるか不安らしい。

「本当にひどい彼氏ね。でもあんたが何を選んでも応援するよ」

そう最後に友人は言った。

それから悩んで悩んで―――――待つことに決めた。

先輩は卒業式に指輪をくれた。何の飾りもない銀の輪。
だけどとても綺麗だった。
本当は泣きたくて泣きたくて、でも我慢し待つことに決めた。

先輩は卒業式に指輪をくれた。
何の飾りもない銀の輪。
だけどとても綺麗だった。
本当は泣きたくて泣きたくて、でも我慢したんだ。
貴方が素敵だと言ってくれた笑顔で見送りたかったから。




「待ってるよ、そのこと忘れないでね」
私は左手にある指輪にキスをした。













キラキラ/aiko
を意識して書いたもの。
もう少し変われたってところを掘り下げたかった。




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