Color&dream




目が覚めてみえるのは
やっぱり白い壁だった
毎回目を開けるとあるもの
白い壁
牛乳
スープ
パン
少女はぼーっとそれを食べる
あとは何もしない
いつの間にか寝てる
そして起きる
その繰り返しだった
けれど今日は違っていた
白い壁が白くない
牛乳もパンもスープもない
ただ足元に人が死んでる
「うん」
少女はうなずく
理由はない
あとは何もしない
いつの間にか寝る
ということまでは思い出した

ここはどこ…？
今までのところがどこなのかも分からずにそう思った
赤青黄緑紫桃橙茶黒…
分からないくらい色がたくさんあって何かがある
そんな場所にいた
「お嬢ちゃん、こんなところに座り込んでないで最近出来たミルフィーユ屋でも行って食べない？」
黒と赤のシルクハットの人はいった
言葉は分からないが動けるのならと少女は初めて立つことをした

目が覚めた
いつもの白い壁がある
牛乳
スープ
パン
少女はぼーっと食べる
あとは何もしない
何も？
立ってみたい
そう思った

やってみた
ダメだった
あの時どうして立てたの
あそこはどこなの
ぐるぐる渦を巻いて
またいつの間にか寝ていた

少女は歩いてた

あのシルクハットとともに
カラフルな場所を
ミルフィーユを求めて
さっきまで考えていたことは
ひとまず置いておく
少女は心地よい
白よりも

また目が覚める
繰り返し
いつまで繰り返すか分からない
カラフルと白
もう白にとどまれない
カラフルがみたい
少女が立って歩いて話して笑って転んで泣いて悲しんで仲間と楽しんで…

ある日
目が覚めても覚めても
白しかなかった
カラフルは？
首は動いた
周りは白い死体ばかりだった

カラフルカラフル
少女にください
白はいりません
カラフルカラフルカラフルカラフルカラフルカラフルカラフルカラフル…