いつもと違う【バタエス】





バタップの部屋で一緒に夕食を食べることになった。雑務を手伝ったお礼も兼ねてだそうだ。

バタップは他の生徒とは違い、部屋にキッチンが付いてある。雑務などの仕事が長引いた時に食べられるように作られたらしい。最初、エスカバが取り寄せでもしようとすると、それじゃあ健康によくないとバタップが言った。
「んじゃ、どうすんの?」
エスカバがきくと、
「作るに決まっているだろう。オレの部屋に来い」
なんとまあ、男らしい回答だろう。バタップは確かに何でも出来る気がする。料理も相当な腕で一流シェフ顔負けくらい美味しい料理が出て来るかもしれない。期待してエスカバはバタップについて行き、部屋のソファで出来上がるのを待った。
俺の面目を保つためいっておくが、きちんと手伝おうかときいたが、それには及ばないといつものように断られた。今回の雑務の手伝いもそう最初断られたが、なんとなく一緒に居たくて無理矢理手伝った。
しばらくするとトントンと何かを切っている音や、炒める音が聞こえてきた。
バタップが作ってる間エスカバは本を読んでいたが、なんだか夕飯を待つ夫な気分だなと嬉しくなった。
すると香ばしい匂いがしてキッチンの方へ目を向けると、バタップがまたせたと言って料理を運んできた。
……エプロン着用で。
さすがにフリフリしたエプロンではなく、男性用のエプロンだったが、これにはエスカバは非常に驚き口が開きっ放しだ。
「なんでおまえ…って、え?」
目の前に置かれた料理は真っ黒い焼きそばだった。
イカスミかと思ったら、れっきとした玉葱やキャベツ焦げたものである。何でも出来るバタップがまさか料理が美味くないとは、予想もせずどう反応しようか分からなかった。迷っているうちに、バタップが自分の分も持ってきて隣に座る。
「すまない、お前に食わせるのかと思ったら焦がした。その…無理に食べなくて構わないぞ」
シュンとしたバタップの姿でこんなこと言われたら、焦がしただろうがなんだろうが食べないわけない。
エスカバはいろいろドキドキしっぱなしだった。もう今すぐ襲いたいくらいバタップが可愛すぎる。その衝動を押さえるために、目の前に出された焼きそばを食べた。やはり苦いがでも何故か、
「…おいしいじゃんこれ…」
するりと言葉が出た。
「…本当か?本当にそう思うか?」
バタップが不安そうにエスカバを見る。いつもキリッとしてるから、こういう表情に慣れてなく頬が赤くなる。
「本当だよ!」
プイッと視線を逸した。
バタップはそれをみて安心したらしく、よかったと笑みをこぼした。









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バタップ少しキャラ崩壊した。
正直何故エプロンのこと入れたか笑いを取りたかったのか分からない。

20110613




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