夏の夕方はとても寂しい気がする。
何かを思い出すのだ。何かを。
夏休みも終わりまた学校が始まった。何をするにもまだやる気が起きなくて、来月の初めにある体育祭の準備もダラダラ気味であった。
私は仕切るタイプではないし、
それほど燃えているわけではない。けれど、この状況は好きじゃない。やるならやるで、しっかりやりたい。
(思い出しただけでイライラしてきたよ…)
彼女は夕空を見上げた。
綺麗であり儚げであり懐かしく思う。
「まるで俺らみたいだな」
「どこが…って耳元で声を出すなー!」
振り返ると同じクラスの綾川が立っていた。
不意打ちをくらい、彼女は真っ赤になるのを抑えられない。
「こ、鼓膜が破れたら、どうすんのよ!」
その人は彼女の反応が面白かったらしく、ゲラゲラと笑っている。
(馬鹿にしてやがる…)
彼女はむくれながらその人に訊く。
「どっこが、この素晴らしい空が俺たちなのよ」
「からかって悪かったな。夏の夕方って懐かしく感じるじゃん。だから大人になって、綺麗な夕空みたら体育祭の準備がダラダラしてイライラをしてるお前と帰ってることでも思い出すだろうなと。そしたら、今見てる空は俺らじゃん」
「…私がイライラしてたの気付いてたんだ」
「お前って顔に出やすいんだよ。ま、そのうち皆のテンションが上がって楽しくなるさ」
「そんなもんかなー」
「そんなもんよ」
それを訊いて彼女は少し心が軽くなった。
「でも、」
「ん?」
彼女はニッコリと笑ってその人にいう。
「今の空は俺たちだってのはなんかジジ臭い」
「な、なんだとー!」
今は何かよる寂しさはいらない。
夏の夕方、楽しそうな顔があればいい。
夕日は沈んでいった。
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突発的に書き出してみました。
中学生か高校生に戻りてー。
綾川って名前本当にあんのかな。
適当である。
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