笑ってる。
気に入らない。
「君は何故そうも笑えるんだ」
理由はそれだけにエスカバを殴った。構えも出来たはずなのに、思いっきり殴られて倒れた。エスカバはいてぇなと殴られた頬を触った。それだけで僕には何もきかないし、何もしない。
「何故やり返さない!」
僕は怒鳴った。キンキンと自分の頭にも響いて痛い。
「だってお前今にも泣きそうだ。辛かったことあったんだろ」
エスカバがそう言うと途端にミストレはボロボロと涙が出てきて、そのまま静かにエスカバを抱き締めた。
「いって…ったく少しは甘え方うまくなれよ。これじゃあ、俺が保たない」
エスカバは頭を撫で溜め息をした。
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