手に入れたからここに居て【風宮】






※思いっきり付き合ってる




ようやく手に入れたものはずっと側にいてくれないと不安で仕方ない。そんなことを漏らすと風丸さんはそうなんだと驚いていた。
「風丸さんが思っているより僕はずっとずっと好きなんですから!」
「それは……すまなかった」
風丸は素直に謝ると宮坂は大きなため息が出そうになって我慢した。風丸さんは素直な人だ。オレの方が宮坂より好きだぞとか言ってくれない。だってそう思ってないから。思ってもないことを言うことはしない。
宮坂は風丸の頬にそっとキスをする。
「嫌になるくらいですよ、なんでこんな好きなんだろうって。風丸さんは全然僕がいなくても平気そうなのに」
膨れた顔で訴えると、そっと視線を逸らした。キスしたのが嫌だったのかと一瞬過ぎったがよく見れば頬が綺麗に朱色に染まっている。
「…………平気でしょう?風丸さんなら」
宮坂が耳元で囁くとヒッと声を上げて耳を抑えた。
「ーーへ、平気なら嫌だろう?宮坂が」
風丸の手が伸びて宮坂を引き寄せた。僕の心臓よりもバクバクと鼓動の速い音が伝わってきた。
「ずっとは無理でも今は宮坂の側にいるさ」
そう言って風丸は宮坂の口を塞いだ。その幸せの甘さがクセになっていつだって欲しくなっちゃうなあと宮坂は嬉しそうだった。



20211217





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