触れて関係【照吹】



付き合って別れたのに、また出会ってこのままでいようと言われてこの関係はなんだろうか。
「僕達は恋人同士でいいのかな」
考えていたことがつい口から漏れた。コーヒーを飲んでいた照美の手が一瞬止まり、それからカップを音を立てずにソーサーの上に置いて、テーブルの上に置かれていた吹雪の手に自分の手を重ねた。
「吹雪はどうしたい?どういう名前の関係でいたい?」
「そ、それは…………」
言葉に詰まっていると手の甲を撫でられて指を絡めていく。スベスベしている照美の指が僕の指の間をするすると抜けたり入ったりとすごく気持ちよくなってきて身体が疼いてくる。
「ね、ねえちょっと照美くん…ンッ」
「ふふ、どういう関係がお望みなんだろうね君は」
照美は吹雪の手から離れてコーヒーカップを持って席を立った。吹雪はさっき弄ばれた手をじっと見ると少し寂しい感じがする。
もう少し、触れていてほしい。
吹雪も席を立って、コーヒーのおかわりにいった照美の後を追いかけた。


20211207




prev next








×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -