似ているだなんて【照吹】






※付き合ってます!




付き合ってからよく言われることがある。
「お二人はお似合いですね」
どちらかを女性と間違って見ている可能性が高いが、二人とも慣れっこなので否定せずにお礼を述べるだけだ。
先程入ったカフェでちょっとしたトラブルがあり、二人で解決をした。その際に助けた女性に言われたのだ。
二人は店をあとにして、少し離れたあとに吹雪はぽそりと呟いた。
「どこがお似合いなんだろうね。美男美女みたいなやつかな」
「……まあそうなんだろうね」
照美は謙遜もせずに返した。おそらく本人は美男だと思っているから、当たり前だろう。普通だったら突っ込むシーンなんだろう。
「それもあるけれど、僕と吹雪くんが似ているからかな」
「似ている?」
「雰囲気とか、容姿が整っているとか」
照美が何気なく言った“似ている”というワードが引っ掛かった。似ているだなんて、僕に使うときは弟のアツヤがいた時に何度も言われたことだ。もう随分前のことだけれど、懐かしく感じる。
「ふふ、そうだといいな。君にぴったりな僕ならさ」
「ーーーーまあ他人から見てもお似合いなんだからぴったりだろうよ」
顔をあげると少し照れた頬が目に映って嬉しくなって人差し指をこっそりと絡めたのだった。



20211130






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