残り香【奏純】





※付き合ってる!






枕に残っている奏の香りに肩の荷が下りる。今日から奏は地方ロケで一週間は会えない。その間の奏がレギュラーで出演している番組に代わりに出ることになった。結構体力のいる番組で奏はこんな番組で笑顔で楽しくやっているんだと、改めて奏のスゴさを実感する。
「アイツも頑張ってるのかな」
枕近くに置いたスマートフォンが光っていたことに今気付いた。慌ててスマートフォンをみると奏からだった。
「あ、純哉くん?今大丈夫?」
「大丈夫……てかお前オレの枕に香水吹き掛けただろ?」
「バレた?純哉くんが寂しくないようにってさ」
やっぱりかと純哉は奏の声に耳を傾けながらまた枕の匂いを嗅いだ。寝る前に嗅ぐような匂いではなく、爽やかなその匂いに少し笑ってしまう。
「ーー寂しくはねえよ、一週間ぐらい。たださ、これだと余計にお前に会いたくなんだろ」
こんな匂いだけじゃなく顔を合わせて直接触れて話して笑いたい。
「そうだね、オレも会いたい!だからお互い頑張ろうね!」
奏の元気な声に好きだなと純哉は匂いに溺れていく。


20211126




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