晴れと後ろ姿【風宮】





※付き合って別れた




風丸さんの後ろを歩きながら他愛のない話を聞く。最近のサッカーの話、共通の知り合いの話、自分の話を僕は楽しそうに相槌を打つ。
風丸さんは振り返って微笑む。
「ありがとな、宮坂。話を聴いてくれて」
「いえいえ、お互い様ですよ」
僕も同じように微笑んだ。そして風丸さんが歩き出してから僕も歩き出す。決して綺麗に横に並ばないように気をつける。
だって僕らはもう別れたのだ。ただただ僕がこの関係を続けたいから、愛しい思い出を僕はなぞりたいだけなのだ。
「明日は晴れるといいですね」
「そうだな、晴れるといいよな」
風丸さんは振り返らずに返事をする。雲間から少し夕日が覗いた帰り道だった。



20211125




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