「あの星、忘れないでね」
おひさま園にきてすぐヒロトさんに言われたことだ。意味分からないなと思いつつも、何故か記憶に残ってしまった。
　
「あれがそういう星なんです」
隣にいた霧野センパイに分かるように指を示した。
「綺麗だが、なんで忘れないでって言ったんだろうな」
センパイにきかれて、狩屋は唸りながらも口を開いた。
「おそらく、大切な星なんですよ。ヒロトさんには勿論ですけどオレたちにとっても」
「そうか」
二人でその星を眺めながらゆっくりと夜道を歩いていった。



20211115