飲み過ぎ注意【一彩と藍良】





※ただの二人の会話
お題「気が済むまでドリンクバーで話そう」





「ねーきいてるの?ヒロくん」
目の前にいる楽しそうにドリンクを飲んでいて、テーブルの上には空になったグラスがいくつか並んでいる。
自分と一彩しかいないのに、こんなにもグラスがある理由はドリンクバーにある。
ファミレスが初めてという一彩に自信満々にドリンクバーのことを教えた。その際に、沢山あるから組み合わせて飲むのがコツだよ的なアドバイスをしてしまったのだ。それを鵜呑した一彩は、一杯飲んだらまた一杯と何度も行き来している。
「せっかく先輩達が迎えに来るまで話聞いてもらおうと思ったのにーー」
「ウム!話は聞いているから続けてほしい」
「いやいや、めちゃくちゃドリンクバー行きながら言うセリフじゃないでしょ!」
藍良はツッコみつつも一彩はまたドリンクバーに行った。先輩たちがここにくるまであと数時間ある。帰りの電車賃使い切って帰れなくなったなんて、本当に情けないなと自分でも思う。
「それでも今回の会場限定のブロマコンプしたかったんだもんーー!!」
藍良は出たときの写真をスマートフォンで見返していると、一彩が戻ってきた。
「藍良、また先程撮った写真を見ているのかい?実際にカバンに入っているじゃないか。現物を見た方が……」
「だーめ!もしなにかの拍子に落としたり汚れたら嫌だもん!」
「それほど大切なんだね」
「そーそー!……帰りの電車賃使っちゃったほどにね……」
ズズズッと一彩は先程注いできたドリンクを飲む音が響いた。見ればなにか下に黒い物体がある。タピオカだろうかと思うが、飲み物自体は気泡が出てるので炭酸ジュースかもしれない。
「ねえ、それ美味しいの?」
藍良がきくと一彩は自信満々に首を振った。
「不味いよ!でもちゃんと飲み干すから!」
「じゃあ飲み干したら今度こそおれの今回のイベの話をちゃんときいてよ?」
一彩はいつも通り頷いて、そして飲み干してまたドリンクバーへと行ってしまった。
「はーー変なこと吹き込むんじゃなかった!」



20211112





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