次に会う時【照吹】





※付き合ってないし、無印3期から1年後の話。





出会えて良かったねとすんなりと口から出たことに自分でも驚いた。
アフロディくんも驚いて目を見開いている。
「えっと、あの時、君は僕を救えるかも気にかけてくれた。それはすごく嬉しかったと同時にプレッシャーにもなっていた。何度もどうにかしようと立ち上がろうとして無理だった。その先が見えなくて、怖かったんだ。今まで側にいてくれたものがないことに耐えられなかった。だけど、君は立ち向かっていった。新しい自分を信じて無理だと周りに言われてもやめないで立ち向かう姿は、口でいうよりも伝わったんだ」
こんな風に話せる日がくることもきっとあの頃は知らなかっただらう。感謝を伝えるにしてもバタバタと日々は過ぎて一年が経った。予選でアフロディくんが率いるチームに当たるとは思ってなくて、ただすごく嬉しかった。
去年の準優勝校相手にどこまでやれるかワクワクが止まらない。
「だから僕は君と出会えてよかったよ」
「そうか……。僕も同じさ。だけど、今日は勝たせてもらうから」
ニッコリと笑う君は変わっていない。余裕のある表情と自信。僕も同じように笑った。すると、彼はそっと手を伸ばして頭を撫でた。
「大丈夫になってよかった。僕らは大丈夫さ。これからもっと先に歩んでいける」
頭を撫でる手は優しくて温かい。その温かさは僕の心まで伝わりそうだ。
僕は大きく頷くと、彼は立ち上がった。
「ーーーーじゃあ、次はピッチの上で」
「うん!負けないからね!」
あと数時間後にはピッチの上で、敵同士だ。けれど最高の試合になるんだろうなと仲間へと向かう足取りは今にも飛び跳ねそうだった。




20211108




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