匂いは変化する【ダブマス】




 

 
フワッと匂いに誘われて、クンクンと匂いの先に向かうと大きな背中にぶつかった。
「わっ?!チヅ?!どうしたの?」
振り返ってびっくりしていたのはいつきだった。千弦はまだクンクンと匂いを嗅いでいる。
「なんかねーいい匂いすると思ったから。これって香水?」
「そう、この前香水のお仕事がくるって知ってから調べてつけてみてるんだよ」
そういえば、ディアドリとクロフネでそんなお仕事を受けたとグループラインにきていた。まだ詳細は決まってないらしいが、ボクも楽しみの仕事の1つだった。
「結構甘めの匂いでパクパクしちゃいそうー!……これがいっちゃんの自分のイメージ?」
ボクがきくと、困った顔をされた。
「えっうーん……自分のというよりはファンからの自分のイメージかな。よく雑誌でもそんな書かれた方するし……ダメかな?」
ボクは首を振って笑った。
「ううん、ボクは好きだよ!いっちゃんのお菓子大好きでそのことも思い出すし……でもでも、いっちゃんは甘いだけじゃないよね?」
いつきはピンときたようで、スマートフォンを取り出して検索し始めた。ボクがピョンピョンと見せてもらうように跳ねるといつきは画面を見せてくれた。
「ほら、香水って時間が経つと匂いが変化するんだって。これってきっともっとオレらしいイメージの香水で出来るんじゃないかなあって」
「そうなんだ!スゴゴゴイ!!!あっまーい匂いからカッハーイ!匂いに変化出来たりするのかな」
「それは難しいかもしれないけど……」
困りながらもいつきはどこか嬉しそうだった。 



20211106




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