次回のカレーは【奏純】



※付き合ってない
お題「君の好物を作れるようになりたい」


ーー大切な人には好物を作ってあげて食べてもらいたい。
出来上がったカレーのCMの映像を見ながら、そうなんだなあとしみじみ思った。
「奏、良い感じだったか?」
一緒に撮影をしていた純哉は別撮りを終えて、映像をみていた奏の元へ駆け寄る。今回のCM撮影では、純哉と兄弟役で二人で母の為にカレーを作るというものだった。元々料理が得意な兄である純哉に教わりながら一緒にカレーを作っていく。別撮りもあったのは、兄が料理が得意になった理由は母の為だったというエピソードのCMも作るそうだ。
「うん、いいと思う。というか、撮影中の時も純哉くん本当に手際よくてオレが素で困ったよー」
はあとため息するとポンポンと肩を叩かれた。
「まあ、お前はそれでいいんだよ。肩に力入ってたらうまくできるものもできないし……そういえば、さっきスタッフさんにきいたらとりあえずこれで撮影終わりだからさっき作ったカレー食べていいって言ってたけどどうする?」
純哉がきくと即答で「食べる!」と大きな声で返事をした。予想よりも声が響いてしまい、スタジオにいた人たちがクスクスと笑っていた。
「お、お前なあ……つーかいつもオレの作ったカレー食べてるだろ」
「だって、純哉くんのカレー美味しいし……。あ、でも今日はオレも少し手伝ったから、純哉くんにも食べてもらいたいかな」
純哉が首をかしげてからすぐにピンときたようだ。
「ーーーー一人で全部作れるようになってからいえよな……」
ぽそりと出た呟きに、奏も小さく頑張りますと答えたのだった。



20211104





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