答えは知ってる【奏純】



※付き合ってまーす!
お題「食べたいもの決まった?」




「食べたいもの決まったか?」
「んーんーまってー」
奏はスマホで検索かけながらどこで食べようかと探してる。純哉は真っ先に答えが出てくると思ったのに想像していたより時間がかかっていることに少し苛立ってきた。
外食しないかといったのは自分だが、部屋でゲームしたりライブ映像したりゆっくり二人でオフを楽しんでおいて、思いつかないのだろうか。
オレは真っ先に食べたいものが決まったのに。
答えを言ってしまうのは格好悪くて出来なくて、奏の食べたいものにしようと言ってしまったのだ。あとには引けない。
イライラして当たりたくないから早くと探している奏に頭を寄せた。と、チラッと見えたスマホの画面にはオレの写真が映っていた。いつの日か二人で行った海辺での写真だ。
「は?おま……」
「あ、バレた?えへへ、この写真の純哉くんめちゃくちゃ可愛いよね」
「ッ!バレたじゃないだろ!!店を探していたんじゃないのか!」
奏の両肩を持って揺らすとごめんごめんとニコニコとしていて全然悪気ないことが分かる。
「ーーーーッあーもう!カレー屋にいくぞ!」
純哉が立ち上がろうとすると奏がガシッと腕を掴んだ。
「うわっ!!」
ビックリしてバランスを崩して奏の上へと覆いかぶさってしまった。すると奏はそのままオレを抱きしめた。
「違うでしょ?純哉くん。いきたいところはカレー屋じゃないでしょ」
ドキドキとした振動はどちらのものだろう。重なってどっちが早いか分からない。
「……食べたいものはオレは純哉くんだよ。純哉くんはそうじゃないの?」
静かな声が耳元で聴こえて、うっかり厭らしい声が出そうになるのをこらえた。堪らえているため何も答えないでいると、耳を甘噛された。
「ひゃぁっ!?か、かな……」
「分かってるならきかないでよね」
怒っていそうな不機嫌そうな声に、「食べたいと言われたかった」と素直に呟いてしまったのだった。




20211005




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