好みの顔【照吹】



※付き合ってます!
お題【ドリンクバーで気が済むまで話そう】




「今日は中秋の名月なんだって」 
ドリンクバーから帰ってきた照美に言った。次は何を入れたのだろうとドリンクを見るとカップから湯気が出ている。色からして紅茶だろう。
初めてだといっていたあの頃が懐かしいなあと吹雪はコーラとオレンジジュースを混ぜ合わせたものを口にした。
「へえ、そうなんだ?じゃあ早めに出てゆっくり月を眺めながら帰ろうか」
「そうだね、これで最後の一杯にしよう」
吹雪がいうと、そんなに飲んでいたかと気付いたようで少し顔が赤くなった。そういうところは本当にかわいいなあと眺めた。
初めてきたときにドリンクバーの使い方を教えるとハマったようで、ドリンクバーがあるところにくるとかなりの回数飲みに立つ。
可愛くて面白くもあるけれど、僕としてはちょっと面白くない。せっかくの話せる少ない時間が削られると思うと寂しい。
「……明るい月の中、帰るとさ」
照美が微笑みながら吹雪を見つめる。
「君の顔がよく見えて好きなんだよね」
にっこり笑う照美は本心からの言葉だろう。吹雪はそうだねと言いながら顔をパタパタとさせた。


20210921




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