暮らしの欠片【クロノとミクル】VGG



※ヴァンG1期2期軸。カプ要素はないです。



「遅くなってごめーん!」とバタバタと家に入ると真っ暗だった。時刻はもう23時近くでもしかして寝てしまったのだろうか?
リビングまでいって明かりをつけると、テーブルで気持ちよさそうに眠っているクロノがいた。
目の前には美味しそうな料理にラップをかけられている。
悪いことしたなあと思った。
今日はカードショップで誕生日パーティーをしてもらうことになってたようで、誕生日を友達と祝えることに嬉しい反面今年は一緒に祝うことはできないのかと肩を落としていた。
そんな素振りをみせてしまったせいか、夕飯までには帰るからと言ってくれた。なのに、今日に限って仕事が長引き乗っていた電車はトラブルで遅延して今やっと帰ってきた。
「ごめんね、クロノ」
クロノの頭を撫でると、ゆっくりと瞼が開いた。
「ん、ミクルさん……?今何時……ってああ寝てたんだオレ」
眠そうな目を擦りながらクロノは身体を起こした。
「誕生日パーティー、楽しかった?」
ミクルがきくと照れくさそうに顔をかいて答えた。
「…………まあそれなりには。あ、ご飯温め直すからちょっと待ってて」
別にいいのにと思いながらも、クロノはバタバタと料理を持って電子レンジへと向かった。
早く独り立ちしたいとクロノは思っているだろうが、ミクル自身は独り立ちしてほしくないなあと寂しくなる。きっとそんなこと私が言っても思っていてもクロノはきっとこの暮らしからどこかへと行く。兄さんと同じで似ているから。
そんな時にいつか、私との暮らしも思い出してくれたらと少し伸びた身長に気付きながら願うのだった。




20210909




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