ターン&ターン【奏純】





※付き合ってない





街で何かを見つめて真剣に悩んでいる奏を見つけた。声を掛けようとして、視線の先をみて上げていた手のまま固まった。
奏の視線の先には宝石店があったのだ。まだまだ高校生のくせにまさかと思うが、オレたちに内緒で誰かと付き合っていて、結婚を考えていたり……なんてことがあるのか?!と純哉は声をかけずくるりと華麗に180度ターンしてその場を立ち去った。
 
数日後、事務所でばったりと奏と会った。
「あ、純哉くん……実は相談したいことが……」
すごい真面目な声でいうので、先日の一見を思い出して純哉はまたもや180度ターンを決めて方向転換し走り去った。
「え?純哉くん!?ちょっとまってよ!」
走っていく純哉を奏が追いかけてくる。
まだ覚悟を決めてないうちにきくことができないと純哉は耳を塞いだ。
「今日は!無理だから!もう少し待ってくれ!」
「なんのこと!てか止まってよ!!」
「ーーーーッ!きこえません!ききません!」
と、前から三神さんが出てきてびっくりしてピタリと純哉は立ち止まると追いかけてきた奏が急には止まれずにぶつかって純哉と共に倒れ込んだ。
「……大丈夫?二人とも」
「は、はい」
「大丈夫です!三神さんすみません……」
二人は慌てて起き上がって頭を下げた。
「オレは別に何もしてないけど……あ、そうだ。この前の企画のやつ考えてる?」
三神さんは奏を見ていった。純哉が何の話だろうかと思っていると、奏は首を横に振った。
「まだです。そのことで純哉くんに相談しようと思ったら逃げるから……」
「そっか、じゃあ参加するか決まったら教えて。あ、もう時間だ、それじゃあ」
そう言って三神さんは早足でその場を去っていった。
残された二人は互いをちらりとみて少し気まずそうな空気になった。
奏の話をきいたら純哉の完全な勘違いだったと分かったのだった。





20210829




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