彼の恋人【蘭マサ】





※高校一緒で付き合ってますー!





 
「彼女さんとっても綺麗じゃん!」
そんな風に言われるのは何回目だろうか。否定するとややこしいからそのままにして、まあなと狩屋は適当に返事をした。
高校で出来た友だちが街でセンパイとデートしていたところを目撃したらしく写真を見せろとめちゃくちゃに頼まれた。仕方ないから少し遠目に映っている二人の写真を見せたのだ。
「いいなーーオレも早く作りたいわ」
友だちはさらに彼女の友だちを紹介しろと頼まれたが丁重にお断りした。別に紹介は出来るだろうが彼の期待に応えられる人を連れてくる可能性はほぼない。
ーーーー彼女ではなく、彼氏だからだ。
「そんなに綺麗かなーー性格は男らしいのに」
「あーーそれたまらないね!ギャップ萌えってやつじゃん!」
「……ギャップ萌えねえ……分からないな」
ふと思った。オレのことを可愛い可愛いと言うのはギャップ萌えってやつかもしれない。それだったらいいな、センパイが可愛いと言われるのは今はもう好きになっている。愛してくれていると感じるから。
「ふふ……」
「狩屋?あ、お前なんか彼女のやらしいこと思い出したろ!」
友だちが口を尖らせて言ってくるので、狩屋は笑いながら首を振った。
「ないない、そんなことしないんだよセンパイは……バカ正直だから」
早く会いたいなと思っていると予鈴が鳴る。次の授業が終われば会いに行ける。
人を好きになるのは嬉しいなとニヤけてしまう顔を下に向けて隠した。




20210827




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