原因【奏純】






※まあまあ付き合ってますししれっと同棲してる



イライラしてしまってる。せっかくの休みなのに奏がこの前買ったゲームに夢中だからだ。
「すっごい楽しみにしてたんだよねー!高校の時の友達が協力プレイしてほしいってさ……あ、うるさかったらごめん」
純哉はいや大丈夫と返事をしてストレッチをする。
「オレも今日は三神さんの録りためていた番組やら雑誌やらを消化するからさ、今日は別々に過ごそうぜ」
そんな感じで各々の部屋に戻ったのである。お昼過ぎ、純哉は飯を作って奏に声を掛けたがヘッドフォンをかけてゲームに夢中で気付かないようだ。
仕方ないなとリビングにメモを書いて冷蔵庫に入れておいた。
夕方、夕飯を作ろうかと冷蔵庫を開けたら昼に残しておいた奏の分の昼飯がまだ手つかずであった。
「アイツーー!どんだけ夢中でやってんだ!」
こんなことで身体壊されてもたまったもんじゃない。純哉はコンコンとノックして奏の部屋に入った。
「お前!飯食べろよ!」
カチカチとした音とゲームの音に純哉の怒りの声が乗っかる。だがしかし気付いていない。夢中になれる趣味があることはいいことだ。しかし気に食わない。作ったご飯を食べてくれなかったことも気に食わないがそれよりももっと大きな理由がある。
オレは本当は奏と一緒に楽しみたかった。
はっきりとイライラの理由が分かると純哉はずんずんと奏に近寄ってヘッドフォンを取った。
「え、あ?純哉くん?!」
「奏……オレにも構えよ」
勢いよく取ったヘッドフォンだったのに、出てきた言葉はとても小さいものだった。こんなこと言いたくなかったけど、言わずにはいられない。
奏が生唾をごくんと飲んだあと、ちょっと待ってと小さく手で静止してその間にゲームをササッと操作してゲーム画面は暗くなった。
「……気付けなくてごめんね」
奏は純哉の手を引いて胸へと引き寄せたのだった。
 



20210824





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