音【創作BL】◆




 
急いで飛び出して玄関を出てアパートの階段を下ろうとして足が止まった。
「アキラなんで……!?」 
オレの声に階段を上がっている最中だったアキラが顔を上げた。
「え、あれ?ショウどうして……」
カンカンと2、3度金属音を鳴らしてオレはアキラの手を取った。この感覚は夢じゃない。確かにここにいる。オレがほっとしているとアキラは心配そうな顔をしていた。
「なにかあったの?」
「いや、ただちょっと夢見が悪かっただけだ。……お前こそオレの部屋に行く予定だったのか?」
「えっと……」
アキラは視線を逸した。今まで断ってきたから今回も断られるかもと思ってるのだろう。
「……ここで立ち話も他の人の邪魔になるから、オレの部屋来いよ」
オレはアキラの手を引いて階段を上がった。
 



20210821





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