会えた光【トラシグ】





※トラシグライブに初めてきた人の話。
お題「君に逢えてラッキー!」



 
 
ステージがぐるりと360度客席から見えるステージにトラシグの3人は光る汗を飛ばしながら歌やダンスを披露していく。
誘ってくれた友人は曲のリズムに合わせて身体を揺らしつつ、手に持っていたペンライトを振っている。私は周りの様子を見ながら貸してくれたペンライトの色を変えてステージ上を眺めていた。
アイドルというものに興味がなかったが、友人の熱量がこんなに高まるのはどうしてだろうかとそこには興味があった。そんな時にチケットが1枚余ったから来ないかと誘われたのだった。
「来てくれてありがとう!」
友人からもトラシグの3人からも言われた言葉だ。その意味がライブが終わるにつれて深くなっていく。今ここに来なかったら知らなかったことだ。たとえ友人から話を聞いても、後からブルーレイなどで見てもきっと分からなかった感覚がある。
自分はこの人たちのライブに惹かれている。
「お前らまだまだ盛り上がれるよな?」
純哉がウインクして煽るとキャー!やワー!と歓声が上がる。隣にいる特に奏が好きな友人もだ。
純哉や耳に手を当てながら足りなさそうな顔をして口パクでもっともっとと煽るとより大きな声へと膨らんでいく。
満足したのかオッケー!と手で丸を作り、曲がかかった。
「じゃあ、今日は特別にトラシグでこの曲やるかな!」
曲名を言う直前に純哉がこちらをみた。
「……この曲で今日会えてよかったと思ってくれたら嬉しいな。では聴いてください!『Special Yell!』!」
きっと気のせいかもしれない。けれども、純哉は一瞬こちらを見ていったのだ。私は戸惑っていると楽しそうな3人が踊り歌う。
明るい元気な曲を3人は飛んだり肩を組んだりしていて本当に楽しそうで……ああ私は今笑顔になっていると思ったのだ。
輝く3人の光に今日会えてよかったと私は黄色のペンライトをかざしたのだった。



20210819
 




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