輪郭を知る【勇圭】




※普通に付き合ってます。
お題「きらびやかな君は本当に眩しい」





 
舞台良かったら観に来いよとチケットをもらって、せっかくだからいくかと勇人は舞台上に立つ圭吾を観た。
舞台後に楽屋を訪れると、先程まで観た圭吾とは違っていつも通りのオレの隣にいる圭吾だった。
「どうだった?」
「……よかったんじゃねえか?」
「そっか……!よかった!勇人が観に来てくれて嬉しいよ」
満面の笑みを咲かせている圭吾を思わず胸に引き寄せて抱きしめた。
「勇人?どうした?」
どうしたと言われてもうまく説明ができない。ただ抱き締めて今の圭吾がここにいると感じたかった。舞台の上の圭吾はきらびやかで今までライブなど隣で見てきた圭吾とは異なる眩しさがどうも気に入らない。
ーー遠いのだ。お前の眩しさが。手に届かないものになりそうで、つい焦ってしまう。
「ーーッなんでもねえよ、チッ嫌なら離れる」
勇人が腕を下ろそうとすると、圭吾が慌てて嫌じゃない!と否定して圭吾から抱き締めた。
「い、イヤな……もんか」
「なんで少し怒ってんだよ」
「お、怒ってない!ーーけどもう少しこのまま」
少し不貞腐れた顔をしながらも耳は真っ赤で心底安心する。暑苦しいくらいの体温と鼓動の早い音がどこか眩しすぎた圭吾をしっかりと形付けてくれた。
ここにいる、側にいる。




20210716





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