それぞれの可愛い【照吹】



※バリバリ付き合ってます。
お題【可愛いね可愛い、とっても可愛い、だぁいすき】





可愛いと言われても別に気にすることはなかった。他人に容姿を評価されることに昔から慣れていた。返しはいつもお礼をいうだけ。格好いいか可愛いかどちらかといえば、格好いいと言われたいがまあでも良く見られているならどちらでもいいのだ。
「吹雪くん、可愛いね」
「…………君には言われたくないね。どういう意味で可愛いか教えてくれるかい?」
照美は立ち止まってうーんと考え始めた。吹雪の前に立ってじろじろと品定めするかのように見てくる。
「はあ、僕ならすぐ言えるよ。君の可愛いところ。いつも自信満々な表情がたまに子どものように驚くところ。後ろ髪の毛の先。笑う顔。あとは……」
「ああ可愛いね、本当に君は」
照美は小さな子どもを嗜めるように吹雪の頭を撫でた。悔しくてたまらなくて頭をブンブンと振って手を払った。
「君は可愛いよ。僕は君が大好きだから行動の一つ一つが……表情も言うことも全部可愛い」
クスクスと笑う照美をみて、つま先立ちしてそんなこと言う口にそっと触れて黙らせた。見下ろす照美の表情が驚いていて、これが……こういう顔が好きなんだよなあとニコッと笑った。
「可愛いだけじゃないでしょう?僕は」
「ーーまあそういうことにしておこうか」
照美は改めて吹雪に可愛いキスをプレゼントした。
 




20210630




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