よくある好物【大人照吹】



※がっつり付き合ってます。
お題「君の好物を作れるようになりたい」

 
 
「照美くんの好物ってなんだろう」
付き合って数年、一緒に暮らしていた頃は食事は彼が作るのが好きということで任せることが多かった。多分なんでも好きなのだろうが、特にこれというものはきいたことがない。
ーーそういえば、どこかで照美くんを特集した雑誌が発売されていたはず。
吹雪はタブレッドを取り出して、広いベッドに転がりながら検索してみると探していた雑誌は電子書籍でも販売されていた。
早速買って読んでみると、一問一答のコーナーもあり知りたかった答えが書かれていた。
「何読んでいるの?」
ふわっと風呂上がりのいい匂いが身体を包むから吹雪は思いっきり身体をビクリとさせた。
「びびび、びっくりした……照美くんいつも言ってるけど気配消すのうまいよね」
「ふふ、驚かせてすまないね。で、何をみているかと思えばその雑誌かーー」
照美は吹雪から離れて隣に座った。白いバスローブが本当に似合っているなと毎回見惚れてしまう。
「……雑誌なんかみなくても僕のことよく分かっているんじゃない?」
「そうかなあ……じゃあさ、照美くんの好物はなあに?」
吹雪はタブレッドを横においてゴロンと仰向けになった。暗いオレンジの天井をみてぼんやりとしていると、照美が覗き込んだ。横髪の一束が垂れて吹雪の顔に当たり、近付いてくる愛しの人の唇は僕にそっと口付けをした。
「ーー君って答えたほうがよかった?」
ニコッと微笑まれてああ好きだなあと真っ赤になりつつ、素っ気なく違うよと答えたのだった。




20210626




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