聴いて【いつ純】



※付き合ってます




 
後ろを振り向くと真っ赤になってバタンと荷物を落とすいつきがいた。
「な、な、なんで純哉くんオレのソロところ見てるんですか?!」
「えーあーうーん……なんか久々にこのライブのいつきのソロ聞きたいなと思ってさ」
そんなに真っ赤になることかなと純哉は気にせずにライブ映像をみていた。落とした荷物をソファーの脇に置いて、少し膨れた顔していつきは純哉の隣に座った。
「……どこがいいんですか?」
「んーここのビブラートとか、あとさこのあとの間奏中の視線がいいよな。いつきらしい強い気持ちが伝わってくる」
純哉はいつきの肩に頭を傾けると、膨れた顔はなくなって口元が緩んでいる。こういう可愛いところは他の人に絶対教えたくないなと思ってしまう。
「本当に伝わってますか?オレの気持ち」
いつきは顔を横に向けて、純哉と視線を合わせた。1センチもないと思ってしまうくらいの顔の近さに、つい目が泳いでしまう。
「ほ、ほんとうに……」
純哉が言おうとするといつきはキスをして言葉は続かなかった。唇はすぐに離れて笑顔を見せる。
「じゃあ今の気持ちをちょっと歌おうかな、さっきまで聴いていた曲がすごく合っているので」
「え……?」
純哉が戸惑っていると、いつきは立ち上がってテレビの前に移動する。
「あの時のライブよりももっと伝わってほしいんです、きいてください」
いつきが歌いだしたのは可愛いラブソングで、聴いているこっちが顔が赤くなっていったのだった。



20210624




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