おめでとう?【フネ】ド!



※カプ要素はないです。
お題「夕飯何にする?」




『夕飯何にする?』
と圭吾から送られてきた。今日オレの家に来るということは聞いていないし、仕事終わりに飯を食べる約束もしていない。しかし返事をしないとまたぐちぐちと言われてしまうので、『ラーメン』と返信した。それに対しての返事は返ってこなかった。
 
 
ーーそれが数時間前の話だ。
「おい、圭吾。オレの誕生日パーティーなのはわかった。だが、ラーメンがここにあるんだ?」
「えっ、あーー返信くれただろ?ラーメンが食べたいって」
 
事務所の食堂は色とりどりに飾り付けられて、達筆な字で誕生日おめでとうという垂れ幕がぶら下がっていた。それはいいのだ、大体こそこそと圭吾などがなにか動き回っていたし以前も同じようなことを他の人にやっていたから予想はついた。大きなケーキにピザやドリアなどが並んでいる。これもまだいい。オレが好きなドリアがあるのは嬉しい。
だが、どう考えても似合わない白い湯気の立ったラーメンの存在感がすごい。通常のどんぶりよりもでかいのではないか?これ。
  
「ーーお前が夕飯何にする?ってきいたから、お前と食べるからラーメンがいいだろうと……」
ぶつぶついうと、圭吾がオレの声をかき消すように慌てて大きな声を出した。
「あーーまあいいじゃないか!!ほらみんながあそこに座れって待ってるぞ!!」
「……お前」
オレがギロリと睨むと圭吾は目を逸らした。
今度、何かさせようと決めた誕生日になった。




20210609




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