甘えたのバレてる【ひいあい】あん☆



※付き合ってない?
お題「君には内緒」




 
ちょうどよく同室の先輩たちが二人とも外での仕事で部屋には帰らない日で、いいかなあとヒロくんを誘ってみたのだ。
こっちの寮に来てから別々の部屋なので一緒の部屋で寝泊まりすることはなくなったが、たまにあのユニットメンバーが朝目覚めたらいる光景が恋しくなる。最初は全くみんな赤の他人同士で不安がいっぱいだったのに、ほんの少しの間ですごく頼れる存在、かけがえのない存在になった。
トントンと部屋のドアを!ノックする音が聞こえてきた。そっと開けると一彩は忍びのようにささっと部屋の中に入って、おれもすぐにドアを閉めた。
「藍良、言われた通りに他の人には知られず部屋にきたよ」
「ありがとー!わーい!あ、やっぱり先輩たちは無理そう?」
「そうみたいだ。僕と同室の人たちはうまく口裏を合わせてくれるから」
「よかった」
と胸を撫で下ろした。別に毎日点呼などがあるわけじゃないが、多分こういうことは良くないかもしれないし、寮監に見つかってややこしくなっても困る。先輩たちにもどうですかと話したが、いい返事ではなかったのでまたの機会だ。
「あ、そういえば寝る場所、先輩たちのベッドを使うわけにもいかないしおれと同じでもいい?」
「ああ、藍良は小さいし平気だろう。僕はソファーでも……」
「それはだめ!おれが誘ったんだからそんなことできない……それに一緒に……」
と言おうとして顔が赤くなった。
なんかよく考えたらおれって今大胆なことしている!?と、気付いてドクンドクンと心臓の音がうるさくなる。一彩はどうしたのかなとそっと頬に触れた。
「へ、あ!?」
「変な声出してどうしたんだい?まあ、藍良が別にいいなら一緒のベッドで寝るよ」
「う、うん」
コクコクと頷きながらも顔が熱くて仕方ない。すると、一彩が頬に触れていた手をおでこに移動した。
「熱はないよね?なんか熱く感じて……」
びっくりして藍良はバッと離れた。 
「な、ないよ!ばか」
「む、馬鹿とはどういうこと?僕は心配して……」
そんなことを言いながらずいずいと顔を近付けてくる一彩に藍良は思わず顔を隠した。
「わ、わざとやってるの?」
藍良がきくと、どうかなと呟く声が聞こえた。



20210601





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