止まらない【勇圭】ド!



※何年後かの話、付き合ってない?はず




受け入れなくちゃいけないと思っているのに、全然受け止められなくて部屋の明かりをパチンとつける音が聞こえるまで部屋が暗いことさえも気付かなかった。
「……勇人」
「……はあ、お前は本当に最後まで話を聞かないよな」
「そ、それは勇人の方がンッ!」
腕を引かれて力強く抱き締められた。その胸の中で長年側にいて感じてきた熱に流されてしまいそうになる。ずっと一緒にいたいと離したくなかった。縛り付けてでも、泣き叫んでも手を離したくない。それはオレのエゴだ。
「圭吾、きいてくれ。俺はソロデビューする」
「うん、おめでとう」
声が震えながらも祝う言葉を伝えられた。勇人は当初はソロで活動したかったのは訊いていたが、KUROFUNEの活動を通して考えが変わっていたことは前に話してくれた。だからもう二人でずっと活動するものだと思っていたのだ。
「さ、最初にその報告は勇人から聞きたかったよ。まさかネットニュースが先になるなんて思わなかった」
「……ワリィ。前々からつけられた記者に嗅ぎつけられた。……圭吾、俺はソロデビューするが、ユニットの活動も続けていくし出来る限り優先していく。お前との活動がなくなることはない」
「ーーーーッ」
頷く代わりに涙がぽたりと足元に落ちた。一つ、二つの数は増えていく。勇人は腕を緩めずにオレを抱きしめているいるために足元に落ちなかった多くの涙は勇人の胸元を濡らしていった。
「止まらないな、涙」
「先に教えなかったからだ、涙だけでも全部受け止めろ」
グリグリと顔を擦り当てるとフゥと息を一つ落とされた。
「お前の……圭吾のことは涙以外も全部受け止める。隣にいろって言ったのは俺だからな」
そういうことをぶり返していうから余計に涙が止まらないのだ。圭吾は勇人の背中に手を回した。





20210512




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