どちら?【照吹】



「どれにしようかなー」
ショーケースを眺めながらうーんと吹雪は悩んでいた。真っ白なチーズケーキは美味しそうだし、ベリー系がたくさん乗っているフルーツタルトは魅力的な光を放っているし、王道のショートケーキは店で一番人気だとPOPが貼られている。
「僕はこれとこれお願いします。あとストレートティーも」
隣にいたアフロディはモンブランとチョコレートケーキを店員に頼んだ。
「決めるの早くない?えーと、ちょっと待ってね、うーん」
早く決めなきゃと焦っていると、店員がなにか思い出したようにあっと声を出した。
「でしたらこのバラエティーセットはいかがでしょうか?一口サイズで好きなケーキ3つを選んで楽しめますし、カップル割で今ならお買い得ですよ」
吹雪が答える前にアフロディはじゃあそれでと頼んだ。僕は慌ててあとブレンドティーお願いしますと追加した。

席についてからクスクスと堪えなが笑う声がきこえる。
「いいよ、もう笑って」
「フフッ確かにカップルだけど……。迷ってる吹雪くんが可愛いから仕方ないよね」
アフロディはお腹を抱えて笑っている。いつもなら髪の長いアフロディの方が間違えられることが多い。が、彼の言うとおり今回は僕の方が間違われたのだろう。
「あんまり可愛い顔を外でやらないでくれよ。嫉妬するから」
にっこり笑いながらもそういうことさらりというアフロディに悔しいなと僕は顔を赤らめた。



20210502




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