両方【奏純】ド!




なにかお揃いのものがほしいという話になった。
指に光るものがあったらそれはスクープネタとしてマズイだろうというわけで、ネットで検索しながら二人で話し合っていた。
「純哉くんは本当にいいの?オレとお揃いものつけて……」
奏からお揃いのものが欲しいと言い出したことだった。ずっと前から欲しかったらしいが、アイドルをしている身としてはそんなことさえ容易ではないと奏も分かっていた。言ってくれたときにあまりにも真面目な顔をしたから、まさか……と悪い想像をしたくらいだ。ミスターアイドルと呼ばれているオレが無理に自分に合わせてないかと心配なのだろう。
「別に同じユニットのメンバーだしそれくらい、仲良しだなあとかそんな感じにしか思われないだろ……オレだってそういったモノが欲しくなるときがある」
純哉だって奏と同じように欲しい気持ちはあるのだ。ただ絶対に強く欲しいという気持ちはなかった。
大きな画面をスクロールして、良さそうなペアのものを探していく。ネックレスやピアス、ベルトなど探せばいろいろあるものだ。
すると奏が身体をオレに寄りかかってきた。純哉は気にせずに画面を見ている。
「純哉くん、あのさ」
「ん?気に入ったのあったか?」
指で画面をタッチしようとすると、その指を掴まれた。
「奏、それじゃあ探せないだろ」
そう言うとすぐにぱっと離した。なにか言いたげな表情に純哉は見ていた画面をテーブルに置いた。
「お前なにがしたいの?」
「……本当に欲しいのは純哉くんとこうしていられる時間で、モノがなくてもいいんだ。純哉くんが一緒にいてくれれば」
俯きながら奏は話し始めた。
「分かってるよ、でも欲しいんだろ?」
「うん……ってムグッ!?」
純哉はため息一つこぼして奏の両頬を両手で挟んだ。
「どっちも欲しいならさ、言いたいことはしっかりいえよ奏」
「!!純哉くん!……一緒にショッピングしにいかない?その時にお揃いもの見つけたい!」
奏は純哉の両手の手首を掴んだ。そしてそのままがっつくようにキスをした。返事をする前に口を塞ぐなと真っ赤なままの純哉に後で奏は怒られたのだった。 




20210423




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