護るため【トラシグ】ド!



※中途半端。薔薇の三銃士イメージです。

ーーこの城には三人の強い銃士がおり、主君である美しい姫を守るために日夜職務に励んでおりました。彼らは薔薇の三銃士と呼ばれ、姫の命を狙う暗殺者から守るため今宵もまた彼らは交代しながら姫の眠る部屋を守っておりました。
 
最初の語り部の声がステージ上に流れている。今日はトラシグとして、三貴士の名曲たちを歌い踊り、パフォーマンスしていくという仕事だ。これは客入りの生放送で、三人とも緊張した面持ちだった。
「緊張するね」
「ああ」
「いやオレは武者震いだ!……三神さんを含む三貴士が見守ってる中、失敗は出来ねえ。そろそろだ、いくぞ!」
純哉が先陣を切ってステージに上がっていった。

「お姫様、ゆっくりとお休みくださいね。俺たちが何があっても守りますから」
純哉はカメラに向かって語りかける。お姫様はみている人たち全員なので、観覧のお客様は純哉のかっこよさにうっとりしている。そこへ慎がやってきた。
「純哉、交代の時間だ」
「ああ、もうそんな時間か。……姫が眠るまでもう少しオレが見張ってても良いぜ」
とこそっと耳打ちすると、慎はフッと笑った。
「お前がいつまでもそうやってソワソワしていたら姫様も気が休まらないだろう。大丈夫だ、ちゃんと姫様はオレが守るから」
慎の格好いい台詞に演技も相まって、姫たちのドキドキと胸の鼓動が聴こえそうだった。
 
すると、そこへ敵襲だ。
音楽がここで流れて、殺陣となる。奏も途中から加わっていくが、敵役との入れ替わりで転けそうになった。
「「奏!!!!」」
奏が目を開けると、二人の騎士が奏の手をパシッと掴んでいた。
「……ありがとう!二人とも!姫、危ないところでしたね!もう大丈夫です。俺たち三人で必ず貴女を護ります!」
「あっぶなかっしいのはお前だよ」 
と思わずボソリと呟く純哉の台詞はアドリブだった。それに慎が乗っかる。
「そうだな、だがそんな奏だからこそ出来ることもある」
三人がお馴染みの立ち位置へとついた。
スポットライトが赤黄色青にそれぞれ色が染まっていく。

20210303




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