補習は嫌い【ひいあい】あん☆



勉強は嫌いだ。
単純に苦手なのだ。つまらないし頭使うし、何の役に立つのか分からない。藍良は放課後、ノートの上でペンをコロコロと転がしていた。おれには沢山のやることがあって、勉強している場合じゃないんだけれどなと思っていても補習を逃れることはできないしサボるとかもできなかった。
「藍良は何故そんなにつまらなさそうにしているんだい?」
原始人……ではなく一彩が難しい暗号を解くかのようにきいてくる。
「頭の良いヒロくんにはおれの気持ちなんてわかんないよーー」
藍良はガタガタと椅子を後ろに下げた。隣にいた一彩はますます首をかしげる。
「頭が良ければ問題は解けることの方が多いのでは?」
「そーーだねーーーーそうだけどさーーーー」
一彩は嫌味をいっていると思ってないと分かっているし、だから余計にたちが悪い。だんだん自分があまりにも悪すぎなのではとダメージが蓄積されていく気がする。こういう気持ちに一彩はなったことがないのだろうか。藍良はないんだろうなーと頭をノートにつけた。
「レッスンを一番頑張らなきゃいけないのはおれなのにな」
藍良がぼそりというと、一彩がポンと頭を叩いた。
「なーにもう、てかヒロくんは補習受けなくてもいいんだから早くレッスンいきなよー」
頭の手を振り払うと一彩はもう一度頭に触れた。
「一緒にレッスンしたいから、付き合う」
そういってあやすかのように頭を撫でられた。一彩は優しい。そんなことは分かっている。勉強出来なくても。
「それに補習とやら受けたことがないから、いい機会だし」
藍良はピクリと動いて再度頭から手を振り払った。
「補習は楽しい行事じゃないのーーー!!!!」
藍良が叫ぶと同時に先生が入ってきて、静かに!と怒られたのだった。



20201223




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