コーヒー【照吹】
「コーヒー一杯」
「あ、僕も」と同じものを吹雪が頼んだ。
見た目に反してコーヒー飲めるのかと感心していたら、
出された湯気がたつコーヒーの上に角砂糖を尋常じゃないほど放り込んだ。
ドボドボと投入され茶色く染まっていく様子をみて、
照美は「最初からカフェオレとかにすればよかったのに」とこぼした。
すると吹雪は顔をうつむかせがちに言うのだ。
「照美くんと一緒のが頼みたかったし、慣れていって最後は同じ味が飲みたいから」
ここが公共の場であると知っての発言かい?
と照美は言いそうになるのをこらえて、
角砂糖をつまみ、自分のコーヒーに入れた。
「じゃあ僕もそれまで待つとしようか」
20201014
拍手文でした
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