happybirthday!【レンアサ】VG



「アーちゃん今日誕生日なんですねー」レンがいうと、アサカはビクリと身体が反応した。期待なんてしてない…などそんなわけはないのだ。今日会えたら、お話ができたら、おめでとうと言ってもらえたら……。毎年どんどんと欲しくなっていく。「テツに言われて気付きましたよー」
ニコニコと笑ってレンは言った。「そ、そうでしたか……」やっぱりまだ覚えてもらってなかった。少し残念に思ってしまう。するとレンが突然アサカの頭を撫で始めた。「れれれんさま!?」「んー?」平然とした顔でアサカの顔を覗く。思わず手で顔を隠した。見なくてもわかる。今、すごく赤くなってる。
「テツがねー誕生日祝ってやれって言ってたからね」撫でることをやめずにレンは耳元で囁く。手で顔を隠したため、全く何も見えないのもあって、一言一言が甘く感じる。レンにとってはいつものようにいってるのだろうか。気になって手をよけて、顔をゆっくりと声のする方へ向けると、
「いつも頑張っているアサカをいっぱい褒めようと思って」レンは手を止めてアサカの目をじっと見る。わたしを見つけてくれた強くて優しい瞳。ああ、好きな瞳がこっちを見てくれている。それだけで満足してしまう。「……あ、ありがとうございます…嬉しいです!!」アサカは涙が目に溜まって視界がぼやけていく。レンはびっくりして、どうしたんですか!もしかして嫌だった!?とオロオロとしだしたので、アサカは慌てて頭を横にふる。
「わたし、レン様に出会えて本当によかったです!」我慢していた涙が1つ溢れた。誕生日おめでとう、とレンはまたアサカの頭を撫でた。



[happybirthday!]

20150611




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