140字SSログB【蘭拓】【蘭マサ】【白シュウ】【天葵】



※140字以内でお題のSSS
※1つ目は受け目線でバッドエンド、2つ目は攻め目線でハッピーエンドです



≪指切り≫

幼い頃の約束なんてきっと簡単に忘れてしまうのだろうと神童は古びたボールを転がす。
14歳にして随分昔というのは誇張しすぎだが、霧野にとってはそれほど前になるだろう。
鮮明覚えている小さな手と手のの指切り。
「そんなこともあったな」
今した指切りは忘れないでいて欲しい。





一瞬一瞬が嘘のようだから指切りして、忘れないでと繋ぎ止めたい。
そんなことしてしまったら一番最初の約束を破るのだろう。
「指切りしよう」どちらから言ったんだっけ。
神童に口づけした後に考えてたことが漏れた。
?マークを浮かべる神童が可愛かったからもうどうでもよかった。
















≪忘れられた指輪≫【蘭マサ】

机に転がるシルバーリングが寂しげだ。
狩屋は未だに捨てずに、かといって大切にしまうわけでもなく無造作に放置している。
女々しいから捨ててしまいたいのに出来ないのは未練があるから。
携帯電話が鳴って久しぶりに声を聞いた相手はこう告げた。
「オレ、今度結婚するから」






初めて狩屋の部屋に入った。
よくある中学生の部屋だったが一つだけ気になった物が。
「これ、オレが去年の文化祭であげた景品の指輪じゃん」
可愛いピンクの指輪は部屋に馴染んでいない。
「べ、別に深い意味もないことは知ってるんですけど…!」
たまらず色づく頬を撫でた。












≪愛してるも役不足≫【白シュウ】

妹を思う気持ちとは違うものに満たされていた。
明日には行ってしまう。
僕はここを動けないことをまだ話していない。
言えば残るというだろう。
だから、手紙を書こうと思った。
でも全然本当の思いを綴れなくて、紙の繊維も出てきそうだ。
「愛してるよ」これでもまだ駄目。






何度も何度もシュウの体に流し込んでそれが新しい体になるようにとオレは叫んだ。
「十分聞こえてるよ白竜」
ポンポンとオレの背中を叩く手も透けていく。
「どうしたらこの想いが伝わるんだ」
白竜とシュウの涙が混ざりあい、灰色へと変わる。
「伝わってる。でも無理なんだ」














≪長く一緒にいた影響≫【天葵】

「葵、これであっているっけ?問1の答え」
「うんあってるよ」
天馬が宿題めんどくさいー!と机に伏す。
「そのためにあたしがいるんでしょ。監視役として」
葵が睨むと天馬は慌ててテキストをやり始める。
いつまで続くのだろう。この幼馴染みの間柄。葵はため息をついた。





「いつまでもこうしていられないんだよ?」
「そんなーオレはいつまでも葵と…」
詰まる言葉に気付く。
いつまでもいないのか。
うーん、オレはそれは嫌だなあ。
「葵はオレが隣にいたら嫌?」
「…すごい直球投げてくるね。意味わかってる?」
うんと天馬は葵の手をとった。








20140605




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