考え事【グラン】













父さんの存在が全てだった。それが俺の生きる価値だった。父さんが俺を貰った理由はすぐに分かった。ヒロトに似てるというだけでも、俺の価値はあるって気付かせてくれた。おひさま園のみんなはいつも優しかった。みんなそれぞれ幼いながら複雑な思いを抱えている。けれど、今は父さんのおかげでこんなにも温かな仲間が、いや家族が出来た。父さんが言うなら俺はなんだってする。たとえ、周りに悪者言われようと俺は父さんに従う。バーンやガゼルに嫌われようとも。円堂君、君が本当は羨ましかったのかもしれない。仲間と楽しくサッカーやれていいなと。だけど、君じゃ俺を倒せないよ。最強のジェネシスは全ては父さんのために戦う。負けることなど決して許されない。

なのに、リミッター解除しろと言われた時なんであんなこと口から出たのだろう。

(それじゃあ、みんなが…)みんなが危ない…。あの痛みは尋常じゃない。動く度にギシギシと痛みがあり、これに耐えるのはかなりキツい。そんな目にみんなを合わせたくなかった。もしかしてこの思いが君が言う仲間を思う気持ちなのだろうか。

だとしたら、俺の心はいつの間にか父さんに歯向かえるように成長していたんだね。存在が消えそうな気がした。仲間を知ってしまったから。
父さん、俺はまだあなたの息子で居たい。どうしたらいいんですか。














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