1泊2日【南倉】



AM11:00



必要なもの以外は一切置いていない南沢さんらしい部屋。まさか本当に来られるとは思ってなかった。
一昨日電話をした際に、遊びに行きたいと冗談半分でねだってみた。どこの高校を狙っているか分からないが、受験生の夏だ。夏期講習等で無理だろうなと思っていた。お金があるならきてみたらいいさと、ごく普通に返された。
ぽけーっとしながら荷物を落とした。
「何ボケッと突っ立ってんだ」
南沢は麦茶が入ったコップを二つ持ち後ろにいる。
「…本当に南沢さんだなあって」
「当たり前だ」
コップの中の氷がコロンと溶ける音がした


PM14:00


昼ご飯を食べたら、だんだん眠くなってしまうことは仕方ないことだ。目がトロンとしている。やばい。本気で眠くなってきた。
「暑い」
「扇風機に当てられんのにか」
汗が肌にまとわりついて気持ち悪い。倉間はパタパタとTシャツを扇ぐ。
「なあそれ。誘ってんの」
机の向かいで寝転がっている南沢は顔を上げた。
「なわけないじゃないですかー」
数十分後、蝉の声とともに倉間のいやらしい声が部屋に響いた


PM18:00


「機嫌なおったか」
無言のまま、倉間は南沢お手製のカレーを食べている。倉間はむすっと顔を下に向けていた。
「本当に悪かったよ」
昼の一件からずっとこの調子だ。拗ねたところも可愛いがそろそろ直ってほしいものだ。
「……ず」
「ん?」
「もういいからお水!これ辛すぎ!」
ごめんごめんと笑いながら、台所に水を汲みにいった。結構倉間も嬉しかったんだなあと溢れそうな水を寸前で止めた。


PM20:00

横になれたらどこでもよいと言ったのに、「お前、疲れているだろ」とベッドにしてくれた。南沢さんが風呂に行っている間にベッドで横になった。匂いするかなとか思ったけど、洗い立ての匂いしかしない。壁から勉強机に視線を向けると、教科書に埋もれて写真立てらしきものが見えた。

倉間は起き上がり、勉強机に向かった。教科書をどかすと昨年の木戸川との決勝戦後に撮った写真だ。
あの試合、一年生だった俺は後半から出場した。緊張して足が震えた。命令がないで、しかも決勝戦。
「怖いか?」
「まさか」
南沢の問いに声が上ずる。
「なら、行くぞ倉間 」


PM20:30

背中をトンと叩かれた。
「お前、人の机漁るなよ」
頭にタオルをかけて南沢が声をかけた。ボロッと涙が出た。
「えっなに泣いてんだ?俺そんなに強く叩いてないぞ」
南沢が焦っていると、倉間がブンブンと首を振った。
「この時もこう背中を叩いてくれたことを思い出しちゃって…」

震えていた足が動いた。結局は負けてしまったが、満足のいくプレーが出来たのは南沢さんのおかげだった。
「あの時は本当にありがとうございます・・・」
倉間が頭を下げると、南沢は「そうか」とだけ言ってテレビをつけた。




AM00:00

薄暗がり、倉間は心臓が煩くて眠れなかった。好きな人の部屋というかベッドで寝ていて!その好きな人は寝息が聞こえるほど近くで寝ている!
「くらま〜」
「はい?!」
「ねろ」
昼間はあんなことをしたくせに今なんて言いやがったこの人は!
「はやくねないとー犯すぞ。昼間より激しく」


















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倉間が夏休みに遊びにいったよ。襲われたよ。
ついったでお題もらった際の再利用サーセン
前も言ったかもしれないけど14時は恐ろしい。いつも嫌な夢ばかりみてうなされる
20120817




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