214【吹照】






「どうしてそんなに拗ねているの」

「拗ねてなんかないさ」

「じゃあどうして、こっちに顔を向けない」

「・・・なんとなく」

「照美ちゃん」

「・・・・」

「そんなにチョコほしかった?照美ちゃんは沢山もらったじゃない」

「それ本気で言ってる?本命のをほしくないとか思うわけないだろう」

「そうじゃなくてさ、根本的に男が男にチョコあげないじゃん。あと、僕だって君からもらってないし」

「僕はもらう側だ」

「僕だってもらう側」

「・・・・おかしい」

「分かった、どっちも貰ってどっちもあげることにしよう」

「どうやって?」


吹雪は山積みになっているチョコから一つ取り出し、口に含んだ。


「まさか・・・」


「ハッピーバレンタイン、照美」


チョコの味は新しく置き換えられた味になった。



「おいしい?もう拗ねないでね」


「・・・もう一つくれたら拗ねない」


照美の髪をくしゃっとしって吹雪は顔をそらした。









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よくある話。

20120211







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