「どうしてそんなに拗ねているの」
「拗ねてなんかないさ」
「じゃあどうして、こっちに顔を向けない」
「・・・なんとなく」
「照美ちゃん」
「・・・・」
「そんなにチョコほしかった?照美ちゃんは沢山もらったじゃない」
「それ本気で言ってる?本命のをほしくないとか思うわけないだろう」
「そうじゃなくてさ、根本的に男が男にチョコあげないじゃん。あと、僕だって君からもらってないし」
「僕はもらう側だ」
「僕だってもらう側」
「・・・・おかしい」
「分かった、どっちも貰ってどっちもあげることにしよう」
「どうやって?」
吹雪は山積みになっているチョコから一つ取り出し、口に含んだ。
「まさか・・・」
「ハッピーバレンタイン、照美」
チョコの味は新しく置き換えられた味になった。
「おいしい?もう拗ねないでね」
「・・・もう一つくれたら拗ねない」
照美の髪をくしゃっとしって吹雪は顔をそらした。
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よくある話。
20120211
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