爆発しろ




リア充爆発しろという言葉を覚えて何億回も唱えているが、奴等は爆発しない。こんな話を知り合いに話すと、お前それ奴等を祝うために使う言葉だよと笑われた。俺は奴等を何億回も祝っているのか。奴等は非リア充の俺を見て笑うくせに。全く神様はなんでこうも理不尽なんだ。神様イコール理不尽で繋ぎ合わせたいくらいだ。ぐずぐずと考えながら歩いていると、またリア充。しかも、今までずっと俺が蹴ってきた小石を踏みやがって。

「爆発しろ」

唱えて知らない人を祝ってやる。俺はなんていい奴なんだ。自画自賛で自己嫌悪。そうしてなきゃやっていけない。

悪態ついてると、にゃあと猫が足に擦り寄ってきた。白い高級感溢れる猫だ。首輪はないが野良猫ではないだろう。
「お前も爆発したいのか」

猫の喉をゴロゴロと鳴らす。気持ち良さそうだ。

「うん、爆発したい」

「そうかーー……ん?」
今喋らなかったか?目を丸くして猫を見た。猫はまたにゃあと鳴くだけ。

俺の頭もついに爆発したんじゃないか。幻聴とは。溜め息が出る。


「ねえ、一緒に爆発しませんの?」


確かに聞こえた可愛い高い声。周りには誰もいない。




「爆発するかああああ!」

と自棄を起こして猫を持ち上げた。
猫は持ち上げた瞬間、鮮やかに中学生くらいの女の子に変化した。服装はやっぱりお嬢さまっぽい。



「よろしくおねがいしますね」
女の子はニコニコと笑った。










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あ、空言です
リア充爆発しろの意味なんて知らないです
20111211




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