「せーんぱいっ」
後ろを振り替えるとニコニコしているマサキがいた。
「これ、あげます」
差し出されたのは、花のしおりだった。
「…これは?」
マサキのことだ、何かあるに違いないと蘭丸は受け取らない。
「やだなあ…ただのしおりですよー知り合いにもらったけど、オレ本読まないんで。先輩は読みますよね?」
オレが本を読んでいる姿なんかくせに、よくいうなと思いつつようやく受け取った。
綺麗な紫色の花びらが三枚あり、何も変な点はない。
「…そんな信用してないならいいです、返してください」
マサキが蘭丸の手ならしおりを奪い取ろうとする。しかし、蘭丸はスルッとかわした。
「いや、ありがたくもらっとく。疑って悪かったな」
蘭丸はマサキの頭を触り、帰っていった。
「本当の目的はこれだった!…なんて」
言えるはずもないや、と 触られた頭を押さえてマサキは赤くなった。
花言葉にしようとしたら何も知らなかった
20111208
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